経済学への扉 経済学 基礎の基礎

2018年01月04日

経済学への扉 第10回

第10回 “海外との貿易”とは?

日本は資源の乏しい国であり、海外から原・材料を輸入し高い技術力によってそれを製品に加工、海外に輸出することで経済を発展させてきた、いわゆる"加工貿易国"です。 ところが、1980年代の後半に始まったIT関連技術の急速な発展、また1990年代後半に開始された通信技術の飛躍的発展にともない全世界は通信技術によってつながり、各国間の繋がりは急速に強まることとなりました。その結果、多くの企業は、その活動範囲を飛躍的に拡大させ、多国籍企業としてグローバル(地球規模)な経営活動を展開するようになりました。現在では、海外との取引、すなわち貿易活動なしには企業経営が成り立たない時代、あるいは、さらなる企業の発展を望めない時代へと突入しているのです。 したがって、日々刻々と変化する、いわゆる"為替相場"、すなわち、各国通貨の交換比率が一国経済に極めて重大な影響を与える時代となっています。 ここでは、この為替相場が国家間の貿易活動に与える影響について、我が国とアメリカとの間を例に考えてみましょう。 まず、円高・ドル安の場合、双方にどのような影響が及ぶのか、そのメカニズムを解き明かしてみましょう(図9-1参照)。


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そもそも円高・ドル安という条件下においては、日本からの輸出品については、ドルの価値が低いのでより多くのドルが必要となります。つまり、日本側からすると輸出品の価格は上昇することになります。国が違っても、高いものは皆きらいですから、日本製品は売れないということになるのです。国内で生産した製品の多くを海外に輸出することで成り立っている日本企業が数多く存在しています。当然のことながら、このことはやがて、国内経済に負の連鎖を呼び込むことになるのです。 逆に、アメリカからの輸入品は、円の価値が高いので、価格が低下することとなり、よく売れるということになります。 では、円安・ドル高の場合は、どうでしょうか(図9-2参照)。日本からの輸出品については、円の価値が低いので、少ないドルで手に入れることができます。つまり、国外の人々にとっては、価格が低下することとなり、よく売れるということになります。先ほどの円高・ドル安の状況とは全く逆の状況が生まれます。したがって、国内経済にはプラスの連鎖が呼び込まれることになるのです。 逆に、アメリカからの輸入品は、より多くの円を必要とする、すなわち、価格が上昇することとなり、売れなくなるということです。


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