経済学への扉 経済学 基礎の基礎

2017年12月01日

経済学への扉 第9回

第9回 “政府の役割”とは?

第二次世界大戦後、一国における経済規模は拡大の一途をたどり、さらには、経済のグローバル化が進む現代の経済に果たす政府の役割は、ますますその重要性を増していると言えます。その具体的な役割には以下のようなものがあります。


まず、スムーズな経済活動を実現するためには、様々な設備が必要です。例えば、企業が財・サービスを供給し、家計がそれらを需要する場合、その財・サービスを、それらを必要とする需要者のもとに運ぶ必要があります。そのためには、道路、橋、空港、鉄道、港湾等の巨大施設、いわゆる"社会資本=インフラストラクチュア(インフラ)"が不可欠となります。ただし、インフラ建設には莫大な資金と労働力が必要であり、一般の民間企業が単独でその建設を担うには、負担が大きすぎます。そこで、政府(国あるいは地方自治体)主導で"公共事業"という形でそれらの建設、整備が進められることとなるのです。


また、そのために必要な莫大な資金は、税金あるいは国債等を発行することで賄われることになります。あるいは、国内経済が過度なインフレーションないしはデフレーションといった状態になった場合、当然、国内経済に悪い影響が及ぶこととなります。
ただし、国家規模での是正には、やはり国家レベルでの諸政策を実施することが必要となります。具体的には、例えばインフレーションが進行している場合、世の中に出回っている貨幣量が多すぎるわけですから、その調整を、国家機関を通じて国家レベルで実施するということです。


あるいは、逆に、デフレーションが進行している場合は、例えば、国家資金を投じて巨大公共投資を実施することで需要を喚起し、"ヒト"、"モノ"、"カネ"の流れを刺激し、盛んにする、といった施策を講じるのです。
さらには、家計、企業レベルでの対応が不可能な経済政策の実施も政府の担うべき重要な役割の一つです。具体的には、偏った所得の分配が行われている場合、その是正措置として図8-1に示すように"所得の再分配"という形で政府が実施する場合があります。税制度あるいは社会保障制度等は、高所得者の収入を政府を介して低所得者へと移転する役割を担っている制度と言えます。

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