経済学への扉 経済学 基礎の基礎

2017年10月01日

経済学への扉 第7回

第7回 “景気”とは?

この世の中には、とてつもない数量の労働力、消費者としての"ヒト"、財・サービスとしての"モノ"、財・サービスを購入するための、財・サービスを製造、提供するための資金としての"カネ"がそれぞれ"労働市場"、"生産物市場"、"資本市場"というマーケットで取引されています。


ここで言う"景気"とは、これら3つの市場で取引されている"ヒト"、"モノ"、"カネ"の各プレイヤー間で取引される流れの程度を表すものにほかなりません。


まず、その流れがスピーディーかつスムーズな状態を"好景気"ないしは"好況"と呼びます。つまり、より多くの"ヒト"、"モノ"、"カネ"がそれぞれの市場を介してスピーディーかつスムーズにしかも大量に流れることで


①企業が順調で勢いのある経営を実現し、業績がアップし続ける


②その企業の従業員は、収入がアップすることで購買意欲がアップし、社会全体の=需要力アップへとつながる


③その従業員が構成する家計は、積極的に貨幣を利用し、盛んな需要を実現する


④国および地方政府の税収も大きくアップし、国家および地方財政が潤い、豊かな財政力を持つようになる


⑤インフラ整備等、豊かな社会づくりに資金が投資される


⑥投資先が増えることで、企業は仕事が増え、その業績アップに繋がる


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といったように、経済を構成する3種のプレイヤー間には"ヒト"、"モノ"、"カネ"のスピーディーかつスムーズな好循環が生まれている状態に他ならないのです(図6-1参照)。


逆に、3種のプレイヤー間における"ヒト"、"モノ"、"カネ"の流れ、循環がスローないしは滞ってしまった状態こそが、"不景気"ないしは"不況"と呼ばれる経済が停滞した状態なのです(図6-2参照)。そこには先の"好景気(好況)"とは全く逆の状態が生まれているのです。



つまり、


①製品の売れ行きが悪く、企業の経営が悪化し、業績はダウンする一方である


②その企業に勤める従業員の収入は大きくダウンし、最悪の場合は解雇、すなわちリストラの対象となる


③その従業員が構成する家計では、消費意欲が大きく減退し、貨幣は消費に回されることなく貯蓄され、社会全体の需要力も大きく減少することとなる


④国および地方政府における企業および個人からの税収はいずれも大きくダウンし、財政が逼迫することとなる


⑤インフラ整備等、豊かな社会づくりは資金不足で中断され、政府による投資は激減、請負業者としての企業は深刻なダメージを受ける



といった悪循環による経済活動の停滞が定着した状態を生み出してしまうのです。


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現在、我が国で実施されようとしているアベノミックスという政策が目指しているのは、まさにこの悪循環を断ち切り、"ヒト"、"モノ"、"カネ"の流れを盛んにし、その総量を増やす政策と言えるでしょう。

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